親知らずの抜歯は歯科口腔外科へ
皆さん、こんにちは。
大森駅から徒歩2分の歯医者【大森わたなべ歯科】です。
「親知らずが生えたらどうしたらいいの?」
このまま放置しておいてよいものか、歯医者に行くならどこを受診したらよいのか、悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
親知らずの抜歯の判断はご自分では難しいため、困ったら「歯科口腔外科」のある歯医者を受診することをおすすめします。
今回のコラムでは、
・「歯科口腔外科」と「一般歯科」の違い
・「抜いた方がいい親知らず」や「そのままでもよい親知らず」について
・歯科口腔外科で抜歯するメリットや、治療の流れ
などについて紹介します。
渡邊 正紘 院長
歯科医師免許取得後、同大学付属病院第二総合歯科にて研修。
その後、東邦大学医療センター大森病院 口腔外科にてレジデントとして従事したのち、東京、埼玉、神奈川の歯科医院に勤務。神奈川の医療法人では副院長を務めた。
医院名:大森わたなべ歯科院長
所在地: 〒143-0016
東京都大田区大森北1-8-13
カスタリア大森Ⅱ 2階
大森駅徒歩2分
Contents
一般歯科では親知らずは抜歯できないの?
親知らずが生えたとき、一般歯科で抜歯しようと考えている方も少なくありません。
じつは、一般歯科でも親知らずの抜歯は可能です。
ただし、親知らずの生え方がまっすぐであって、周りの歯ぐきや顎の骨に炎症がないなど、他の歯と同じような条件下で抜歯できるケースに限ります。
そのため、親知らずの状態によっては一般歯科での抜歯ではなく、紹介状などをお渡しして歯科口腔外科のある歯医者や大学病院で抜歯するケースがあります。
そもそも親知らずは、15歳前後で生える1番奥の永久歯です。
親知らずは最大で4本生えますが、先天的に1本も生えない方もいらっしゃるため、生える本数は個人差があります。
また、親知らずが生える時期には、顎の成長が終わっています。
そのため、親知らずが生えてこられるスペースが残されていないことが多く、歯ぐきに埋まったまま生えてこないケースや斜めに生えてくるケースがしばしばあります。
そのような事情から、親知らずは一般歯科で抜歯するのが困難と判断され、外科処置を行える歯科口腔外科で抜歯することが多い傾向にあるのです。
親知らずが一部生えてきたとしても、抜歯するべきか、このまま様子をみるべきかはご自分では判断できませんので、まずは、かかりつけの歯科医院に相談しましょう。
かかりつけの歯科医院が決まっていない場合は、はじめから歯科口腔外科のある歯科医院で受診をするとよいでしょう。
歯科口腔外科とは?
歯科口腔外科は、歯だけではなく、お口の粘膜やお顔周りのケガを診査・診断することができる歯科の診療科です。
一般歯科と違って、外科処置を受けられることが特徴です。
具体的には、以下の治療を行えます。
・顎の骨に埋まったままなど、難しい生え方の親知らずの抜歯
・唇や頬のケガ
・舌のしびれや違和感
・顎関節症
など、幅広い部位の病状を診断して、治療することができます。
交通事故や運動中にケガをした際も、歯科口腔外科を受診することが可能です。
ただし、頭を強く打ち付けたなどの心配があれば、脳外科を受診して命に別条がないことを確認することを最優先してください。
歯科口腔外科は、難しい親知らずの抜歯をはじめ、お口やお顔周りのケガなどにも対応できます。
歯科口腔外科で抜歯した方がいい親知らず
歯科口腔外科で抜歯した方がいい親知らずは、以下のような親知らずです。
・斜めに生えた親知らず
・顎の骨に埋まったままの親知らず
親知らずが斜めに生えると、手前の歯を押し、さらにその前の歯も押して歯並びが悪くなるリスクがあります。
また、手前の歯と親知らずの間に食べものが挟まりやすく、歯ブラシの毛先が届きにくいため、むし歯や歯周病の原因である「歯垢(プラーク)」が蓄積します。
そうなると、親知らずだけではなく、手前の歯の寿命を縮めてしまう恐れがありますので、抜歯をご提案させていただくことになるのです。
次に、顎の骨に埋まったままの親知らずは、生えるスペースが不足していることが原因のため、いくら待ってもこれ以上、生えてくることはありません。
レントゲンを撮影して、はじめて親知らずがあることに気付く方もいらっしゃいます。
痛みもないため「このまま、様子をみてもよいのでは?」と考える方もいらっしゃいますが、顎の骨から一部だけ親知らずが見えている状態で放置すると、お口のトラブルを引き起こすリスクがあります。
将来、引き起こされるむし歯や歯周病などのリスクを取り除くためには、親知らずの抜歯をする方がよいケースがあるので覚えておきましょう。
顎の骨に埋まった状態の親知らずは、慎重に抜歯する必要があります。
ときには、顎の骨を削ったり、親知らずを分割したりして抜歯することもあります。
歯科口腔外科では、このような外科処置をスムーズに行えるように、歯科用CTで顎の骨の状態や血管や神経の位置関係を精密に診断できます。
一般歯科でも歯科口腔外科どちらで抜歯してもよい親知らず
一般歯科でも歯科口腔外科どちらで抜歯してもよい親知らずは、あります。
以下のような親知らずであれば、一般歯科でも他の歯と同じように親知らずの抜歯を行えます。
・まっすぐ生えてるが歯並びに悪影響のある親知らず
・まっすぐ生えているがむし歯になっている親知らず
・炎症を繰り返す親知らず
基本的には、まっすぐ生えた親知らずであれば、一般歯科でも抜歯することが可能です。
親知らずがまっすぐ生えてきたけれど、生えるスペースがギリギリで、手前の歯に圧がかかることがあります。
そうなると、徐々に歯並びが悪くなり、かみ合わせがズレて違和感を覚える方も。
このようなケースを放置しておくと、歯並びの乱れが悪化することがあるため、早めに抜歯するのがおすすめです。
これから矯正治療をしようと考えている方も、親知らずの抜歯を視野に入れて治療に望むとよいでしょう。
また、まっすぐ生えてきたとしても、親知らずの生えはじめは、しっかり磨けないことがあります。
そうなると、食べかすを取り除くことができずに、むし歯や歯周病の原因となる細菌のかたまり「歯垢(プラーク)」が増殖し、歯ぐきに炎症を起こします。
何度も歯ぐきの炎症を繰り返して、強い痛みがある方は、抜歯を検討したほうがいいでしょう。
このように、親知らずが生えそろう前にお口のトラブルを引き起こす可能性があったり、すでにむし歯や歯周病になってしまっていたりする場合は、抜歯を視野にいれることになります。
特に、これから妊娠するご予定のある方は、女性ホルモンを好む歯周病菌が増殖して親知らず周辺の歯ぐきが腫れやすくなるため、計画的に親知らずの抜歯を進めましょう。
抜かなくてよい親知らず
親知らずは、生えたら必ず抜くわけではありません。
条件によっては、生涯にわたり親知らずを残せます。
以下のような親知らずであれば、抜く必要性が低いため、チェックしてみましょう。
・まっすぐ生えた親知らず
・上下の歯でしっかりかみ合っている親知らず
・歯ぐきの腫れや出血などない親知らず
親知らずがまっすぐ生えており、適切な歯磨きができていれば無理に抜く必要はありません。
定期検診で親知らずの様子を確認して、これからも大切にしていきましょう。
また、親知らずが上だけまっすぐ生えている場合でも、下の歯とかみ合うことができていれば今後も問題なく利用することができます。
反対に、上の親知らずだけが生えており、下の歯とかみ合っていなければ、徐々に上の親知らずが伸びてしまうことがあるのです。
そのため、親知らずの状態だけではなく、全体のかみ合わせを考えて抜歯の必要性の有無を判断した方がよいでしょう。
歯科口腔外科で親知らずを抜歯するメリット
歯科口腔外科で親知らずを抜歯することには、多数のメリットがあります。
・精密検査を受けられる
・お口の中だけではなく、顎やお顔周り全体を考えた診断ができる
・専門的な器具や器材がそろっている
・外科手術の基準を満たした、全身の健康を管理した治療が受けられる
一般歯科と異なるのは、使用する器具や機器の違い、設備が充実していることです。
大学病院などで取り扱いのある「歯科用CT」が、歯科口腔外科であれば完備されています。
そのため、大学病院に撮影に行く手間や時間を軽減して、その場で同等の精密な検査を受けられるのが歯科口腔外科の特徴です。
歯科用CTでは、親知らずの状態はもちろん、通常のレントゲンでは撮影できない顎の骨の密度や神経や血管の位置関係を把握することができます。
これにより、親知らずの抜歯の必要性の判断や、精密な治療計画を立てることが可能です。
また、歯科口腔外科はお口の中だけではなく、顎やお顔周りなどさまざまな部位を診ることができるため、顎などの健康状態まで考慮するなど、総合的な判断ができます。
さらに、顎の骨に埋まった親知らずや、斜めに生えた親知らずの抜歯の際には、歯を分割して抜歯する必要性が高くなります。そのためには、歯を分割したり顎の骨を削ったりする専門的な器具が必要です。
歯科口腔外科であれば、これらの専門的な器具を取り揃えていますので、安心して難しい抜歯を行えます。
大森わたなべ歯科では、日本の歯科ではまだまだ普及率が少ない歯科用顕微鏡「マイクロスコープ」を完備しています。
精度の高い親知らずの抜歯を行うために、マイクロスコープを用いた治療も可能ですので、まずはご相談ください。
歯科口腔外科で親知らずを抜歯する流れ
ここからは、歯科口腔外科で親知らずを抜歯する流れを解説します。
1.カウンセリング
2.精密検査
3.お口の中の検査
4.治療計画のご提案
5.親知らずの抜歯
まずは、カウンセリングで親知らずの状態の確認、全身疾患の有無、服用しているお薬のご確認を行います。
カウンセリングや検査をするには、60分程度かかりますので、ご予約する際はご注意ください。
精密検査では、通常のレントゲン、歯科用CTの撮影を行い、親知らずやその周辺の状態を精密に診断します。
大森わたなべ歯科では、お口の中を撮影してデジタルデータで保存できる3Dスキャナーを活用していますので、モニターに画像を映し出してご説明します。お口の中の状態をご自分の目で確認することが可能です。
歯の表側だけではなく、裏側からも親知らずのご確認ができますので、隠れたむし歯や親知らずの向きなどをチェックできます。
次に、カウンセリングや精密検査の結果から適切な治療計画をご提案いたします。
親知らずの抜歯の有無や、抜歯する時期、治療方法を詳しくお話しいたしますので、わからないことがありましたら何でもご質問ください。
治療計画にご同意いただけましたら、いよいよ親知らずの抜歯です。
親知らず周辺に部分的な麻酔を行ったあと、歯ぐきを切開します。
生えている向きや角度にもよりますが、親知らずを抜けやすくするために専用の器具で分解してから抜歯します。
歯を揺らしながら抜いたり、大きなお口を開けていただいたりするため、患者さんにご負担がかからないようにお声かけしながら進めますので、ご安心ください。
親知らずが抜けたら、切開した歯ぐきを縫合して治療は終了です。
数日後、ご来院いただき、親知らずを抜いた部分の歯ぐきの状態を確認します。
腫れや出血がひどい場合は、通院日までがまんせずに早めに歯科口腔外科へお越しください。
親知らずの抜歯の判断にお困りであれば歯科口腔外科へ
JR京浜東北線「大森駅 中央改札東口」から徒歩2分の歯医者【大森わたなべ歯科】は、歯科口腔外科があるため親知らずの診査・診断が可能です。
個室の診療室を完備しておりますので、長時間かかる難しい親知らずの抜歯でも、リラックスできる空間で治療を受けていただけます。
当院は、土曜も17時まで診療を行っていますので、ご都合にあわせてご予約ください。
お電話はもちろん、24時間対応のインターネット予約も受付けています。
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