【歯科口腔外科】親知らずは何歳に生えるの?抜くべき?~生える前兆と抜歯について~
皆さん、こんにちは。
大森駅から徒歩2分の歯医者【大森わたなべ歯科】です。
「親知らずって何歳くらいで生えるの?前兆はある?」
「親知らずが生えたら抜いた方がいいの?」などと、親知らずに関しての疑問がある方へ。
今回は、親知らずが生える年齢や生える前兆、抜歯について解説しますので、参考になさってくださいね。
渡邊 正紘 院長
2004年鶴見大学歯学部卒業歯科医師免許取得後、同大学付属病院第二総合歯科にて研修。
その後、東邦大学医療センター大森病院 口腔外科にてレジデントとして従事したのち、東京、埼玉、神奈川の歯科医院に勤務。神奈川の医療法人では副院長を務めた。
医院名:大森わたなべ歯科院長
所在地: 〒143-0016
東京都大田区大森北1-8-13
カスタリア大森Ⅱ 2階
大森駅徒歩2分
Contents
親知らずは何歳に生えるの
親知らずは、一般的に15歳前後で生えることが多く、智歯(ちし)や第3大臼歯とも呼ばれます。
生える年齢には、個人差がありますので、20歳を過ぎてから生える方もいらっしゃいます。
ただし、親知らずは、誰でも生えてくるわけではありません。
先天的に親知らずがない方もいれば、最大で親知らずが上下2本ずつ計4本生えてくる方もいらっしゃいます。
親がお口の中を観察することが少なくなる年齢で親知らずが生えてくるため、「親が知らないうちに生える=親知らず」と呼ばれるようになったといわれています。
1番奥の歯のさらに奥から生えるため、自分でも生えてくることに気付かないこともしばしばあるので、むし歯や歯周病などのお口のトラブルの原因となることもあるのです。
また、親知らずが生えるスペースが不足していると、顎の骨に埋まったままだったり、斜めに生えてきたり、途中までしか生えなかったりするのです。
このような親知らずの場合、さまざまなお口のトラブルを引き起こす可能性があります。
親知らずが生える前兆と痛みの理由
親知らずが生えるのは15歳くらいですが、生えてきたことに気付かないこともあります。
そのため、親知らずが生えるのを見逃さないように、親知らずが生える前兆と痛みの理由を紹介します。
親知らずが生える前兆
親知らずが生える前兆をいくつか紹介します。
・奥歯がむずがゆい
・歯ぐきに圧迫感がある
・歯ぐきの中から押されるような痛みがある
・7番目の後ろの歯ぐきが膨らんできた
・歯ぐきからうっすら白いかたまりが見える
・1番奥の歯ぐきに食べものが当たると痛い
・1番奥の歯ぐきに歯ブラシが当たると痛い
上記のような症状があれば、親知らずが生えてくる可能性があります。
親知らずが生え始めると、歯ぐきに違和感を覚える方もいれば、何も症状がない方もいらっしゃいます。
歯ぐきから親知らずの頭がでて、はじめて違和感を覚えることもありますので、少しでも奥歯の辺りが気になる方は、早めに歯科口腔外科のある歯医者へ相談しましょう。
親知らずの痛みの理由
親知らずが生えてくるときに痛みや違和感を覚える方は少なくありません。
その理由を解説します。
神経や歯ぐきを親知らずが圧迫する
親知らずは、歯ぐきを突き破って生えるため、痛みを生じることがあります。
また、親知らずは周囲の歯ぐきだけではなく、隣の歯を圧迫するため「7番目の歯がむし歯なのでは?」などと勘違いをして歯医者へ来院する方もいらっしゃいます。
さらに、下の親知らずに関しては、下歯槽(かしそう)という太い神経が圧迫されることで、違和感を覚えることもあるのです。
歯ぐきが炎症を起こす
親知らずが生え始めると、歯と歯ぐきのすき間にわずかなスペースができます。
そのため、スペースに食べかすが溜まりやすく、歯磨きで磨き残しも多くなるのです。
その結果、歯と歯ぐきのすき間で細菌が増えて、歯ぐきの腫れや出血を起こすこともしばしばあります。
放置しておくと、歯ぐきの炎症におさまらず、歯周病にかかる恐れがあるので早めに歯科を受診しましょう。
歯周病が進行すると、歯を支えている顎の骨が溶かされるリスクがあります。
食べかすが詰まり歯ぐきが圧迫される
親知らずがまっすぐ生えずに、斜めに生えてきたり、一部だけ生えた状態で埋もれていたりすると、親知らずと手前の7番目の歯の間にすき間ができます。
このようなケースは、歯と歯の間に食べかすが詰まりやすい傾向にあり、食べかすが徐々に溜まることで、その下の歯ぐきを圧迫し、痛みを生じている可能性があります。
親知らずが上下でかみ合っていない
親知らずの頭が歯ぐきに当たったり、噛んでいたりすると痛みを感じます。
そもそも、歯は上下でかみ合うように並んでいます。
ただし、上の親知らずが先に生えて、後から下の親知らずが生えた場合では、親知らずが生えそろうまでしっかりかみ合うことはできませんよね。
そうなると、下の親知らずに覆いかぶさっている歯ぐきと、上の親知らずがかみ合うことになり、下の歯ぐきを傷つけてしまうのです。
他にも、親知らずが上だけ生えているケースは、かみ合う歯がないため徐々に親知らずが伸びてくることがあります。
このようなケースも、結果的に下の歯ぐきをを傷つけることで痛みを生じます。
親知らずがむし歯になる
親知らずが生え始めたばかりのころは、手前にある前歯から数えて7番目の歯よりも背が低いため、歯ブラシが届きにくい傾向にあります。
そのため、しっかり食べかすを歯磨きで落としきることができずに、むし歯にかかるリスクが高まります。
親知らずが痛んだり、違和感がある原因は、むし歯の可能性もありますので早めに歯科口腔外科を受診しましょう。
親知らずは抜いた方がいいの?
それでは、親知らずは生えたら抜いた方がいいのでしょうか?
じつは、親知らずは必ずしも抜く必要はありません。
ここからは、「抜いた方がよい親知らず」と「抜かなくてもよい親知らず」に分けて紹介します。
抜いた方がよい親知らず
抜いた方がよい親知らずを紹介します。
・斜めに生えた親知らず
・親知らずが一部しか生えてこない
・親知らずの周辺の歯ぐきが腫れを繰り返す
・親知らずが生えてから歯並びが悪くなった
・親知らずがむし歯や歯周病になった
親知らずは、生えるスペースが不足することで、斜めに生えたり、横向きに生えたりすることがしばしばあります。
このようなケースでは、歯ブラシが親知らずにしっかり当たらないため汚れを落としきれずに、親知らず周辺の歯ぐきが腫れや出血を引き起こすことがあるのです。
また、親知らずが横向きに生えていると、手前の歯とのすき間に食べかすが溜まりやすく、やがて細菌が増殖します。
そうなると、親知らずだけではなく手前の歯もむし歯や歯周病にかかるリスクが高まります。
このようなリスクを避けるために、親知らずの抜歯を選択肢に入れていただくことがあるのです。
さらに、親知らずが生えることで、手前の歯が押されて歯並びが乱れることがあります。
そうなると、見た目だけではなくかみ合わせも崩れるので、早めに歯科口腔外科に相談しましょう。
抜かなくてよい親知らず
親知らずを抜かなくてもよい場合は、
・親知らずがまっすぐに生えている
・親知らずの清掃状態がよい
・上下でかみ合う
などが挙げられます。
親知らずがまっすぐ生えていれば、歯ブラシが届きやすくて、むし歯や歯周病の原因になる「歯垢(プラーク)」をしっかり落とせます。
もちろん、定期的に歯科医院で落としきれなかった汚れを取り除くことは大切ですが、日ごろの歯磨きで親知らず周辺の歯ぐきが腫れたり、出血したりすることがなければ、これからも親知らずを使うことは可能です。
また、親知らずがまっすぐ生えていても、上下でかみ合うことができていなければ、親知らずが伸びて歯ぐきを傷つけるリスクがあります。
そのため、上下でしっかりかみ合っていることが大切です。
親知らずが生えても、残しておけるのか、抜いた方がよいのかは自己判断することは困難です。
親知らずがまっすぐ生えてきても、むし歯や歯周病などのお口のトラブルを防ぎ、健康に使用するためには一度、歯科口腔外科を受診しましょう。
親知らずが生えてきたら自宅でできることはある?
「親知らずが痛い……」という際に、すぐに歯医者に行けないことがあるかと思います。
そのようなときに、ご自宅でできる対処法を紹介します。
ただし、親知らずの痛みを繰り返すケースはもちろん、親知らずがまっすぐに生えてきても一度、歯科口腔外科へ相談するのが大切です。
歯磨き
親知らずが生えたことに気付いたら、歯磨きをしましょう。
歯ブラシの毛先が親知らずに当たっているかどうかを確認しながら歯磨きをすることが大切です。
なぜなら、親知らずは最後に生える永久歯(大人の歯)のため、生えている途中は手前の7番めの歯よりも背が低く、歯ブラシの毛先がしっかり当たらないからです。
歯磨きで食べかすをしっかり取り除くことができれば、親知らず周辺の歯ぐきの腫れや出血などのトラブルを防げます。
歯磨きをするときは、頬側や舌側から斜め45度の角度で歯ブラシをお口の中に入れて、歯ブラシの先が親知らずの頭に当たるようにしましょう。
手前の7番目の歯に歯ブラシがぶつかり磨きにくい場合は、タフトブラシという毛先が1束になったブラシを使用するのがおすすめです。
親知らずをしっかり歯磨きすることで、親知らずの痛みや違和感が解消されることがあります。
冷やす
親知らずの周りの歯ぐきや神経が圧迫されて痛みがでているようなケースでは、頬まで痛みを感じることもあります。
そのようなケースは、親知らずをむやみに触らずに冷やすことで症状の軽減を促します。
親知らずを直接、冷やすのではなく頬に保冷剤や氷枕などをあてるのがおすすめです。
反対に、過度な運動をしたり、お風呂の浴槽に長く浸かったりなど身体があたたまることをするのは控えましょう。
なぜなら、身体があたたまると血行がよくなり、親知らず周辺の腫れや出血が増すことがあるからです。
親知らずの周辺が痛んだり、出血したりしているときは、できるだけ安静に過ごしてすみやかに歯科口腔外科を受診しましょう。
親知らずの周辺を冷やすことで一時的に痛みがひくことはありますが、治ったわけではありません。
一時的な対処方法として覚えておいてください。
ストレスを溜めない
「ストレスが溜まると親知らず周辺の歯ぐきが腫れる……」といった経験がある方もいるのではないでしょうか。
朝はよかったのに、疲れがたまり夕方になると歯ぐきが腫れることもしばしば起こります。
歯ぐきの腫れを繰り返す場合は、ストレスや疲れが原因かもしれません。
ストレスの原因を突き止めて、解消することで親知らずの痛みを軽減できることがあります。
市販の痛み止めを服用する
どうしてもガマンできない場合は、市販の痛み止めを服用しましょう。
一時的に親知らずの痛みを抑えることが可能です。
親知らずが生えてきたら歯科でできること
親知らずが生えたら、自覚症状がなくても早めに歯科口腔外科のある歯医者へ受診しましょう。
今後、親知らずを使用していけるかなどを精密検査で診断することが可能です。
また、痛みや違和感がある方へは処置を行います。
親知らずをクリーニングする
親知らずを専用の機器を用いて清掃します。
普段、歯磨きで落としきれなかった歯垢や歯垢が固まった「歯石」を、歯科医師または歯科衛生士がしっかり除去します。
消毒する
親知らずをしっかりクリーニングした後に、歯ぐきの炎症を抑えるために消毒をしたり、歯ぐきにお薬を塗ったりすることがあります。
また、必要に応じてご自宅で服用する痛み止めを処方することも可能です。
親知らずを抜歯する
親知らずが生えてからお口のトラブルが増えたり、親知らずが斜めに生えてきたりした場合は、親知らずを抜歯することを選択肢としてご提案させていただきます。
親知らずの痛みや歯ぐきの腫れが強いケースは、すぐに抜歯せずに歯のクリーニングや消毒をして症状が落ち着いてから治療に移ります。
親知らずが生えたら「大森わたなべ歯科」の歯科口腔外科へ相談を
JR大森駅から徒歩2分の歯医者【大森わたなべ歯科】は、親知らずが生えてきた方のご相談を受付けています。
親知らずは、歯科用CTを用いて精密検査することが可能です。
通常のレントゲンでは把握することが難しい、親知らずと神経の位置関係、顎の骨の密度を調べられるので、適切な治療計画をご提案できます。
診療室は、半個室なので周りを気にすることなく治療に専念していただけます。
また、長時間の治療になる場合は個室の特別診療室がありますので、リラックスして治療をお受けください。
土曜も17時まで診療をしていますので、ご都合のよい日にご予約いただけます。
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