【大森のインプラント】インプラントも歯周病になる?~寿命と予防の必要性~
皆さん、こんにちは。
大森駅から徒歩2分の歯医者【大森わたなべ歯科】です。
天然歯のような白くて美しい見た目と、噛み心地を再現できるインプラント。
「インプラントにしたら、むし歯や歯周病とは無縁」と、思われていませんか?
じつは、インプラントはむし歯にはなりませんが、歯周病に似た病気になることはあります。
「え?インプラントって歯周病になるの?」と、驚かれたでしょう。
今回は、インプラントは歯周病になるのか、寿命と予防についてもお話しします。
渡邊 正紘 院長
歯科医師免許取得後、同大学付属病院第二総合歯科にて研修。
その後、東邦大学医療センター大森病院 口腔外科にてレジデントとして従事したのち、東京、埼玉、神奈川の歯科医院に勤務。神奈川の医療法人では副院長を務めた。
医院名:大森わたなべ歯科院長
所在地: 〒143-0016
東京都大田区大森北1-8-13
カスタリア大森Ⅱ 2階
大森駅徒歩2分
Contents
インプラントも歯周病になるの?
インプラントも天然歯と同じように歯周病になるリスクがあります。
厳密には、歯周病に似た「インプラント周囲炎」という病気です。
インプラント周囲炎を詳しくみてみましょう。
インプラント周囲炎とは?
インプラント周囲炎とは、インプラント治療後に引き起こるトラブルのひとつです。
インプラントの周囲にある歯ぐきに炎症が起こり、腫れや出血を伴います。
症状に気付くことは難しく、インプラントを支えている顎の骨にまで炎症が広がる可能性があります。
そうなると、顎の骨は溶かされて、インプラントはグラグラと動くようになり、最悪のケースではインプラントが抜け落ちてしまうことがあるようです。
インプラント周囲炎の原因
インプラント周囲炎の原因は、歯垢です。
食事のあとに、適切な歯磨きができていないと、食べかすを取り残してしまいます。
そうなると、食べかすの中で細菌が増殖してかたまりとなり「歯垢(プラーク)」が形成されるのです。
歯垢1mgの中には、おおよそ300種1億個もの細菌が存在しており、歯周病菌もいます。
この歯周病菌が増殖することで、歯ぐきや顎の骨に炎症が引き起り、インプラント周囲炎に発展するのです。
(出典:厚生労働省e-ヘルスネット_プラーク/歯垢 より) >
インプラント周囲炎による影響
インプラント周囲炎が引き起ると、インプラントに以下のような影響を及ぼします。
・インプラント周囲の歯ぐきが腫れる
・歯ぐきから出血する
・顎の骨が溶かされる
・インプラントがグラつく
・かみ合わせが不安定になる
上記のような症状が現れたら、インプラント周囲炎のリスクがあります。
また、インプラントの破損や破折やインプラントの寿命が短くなることがありますので、早めに歯医者を受診しましょう。
インプラント周囲炎による影響は、案外ご自分では気付かないものです。
そのため、初期段階である歯ぐきの腫れや出血があるにもかかわらず、放置する方もしばしばいらっしゃいます。
その結果、「インプラントが動いてきた……」「以前より、インプラントで噛みにくい」などといった違和感ではじめて歯医者を受診される方も少なくありません。
ただし、インプラントに症状がでたころには、かなり進行している可能性があり、インプラントの寿命を左右する恐れも。
このようなリスクを回避するためには、インプラント治療後の予防ケアが大切だとわかりますよね。
後ほど、予防ケアについてもお話しいたします。
インプラントとは
そもそもインプラントとは、むし歯や歯周病などの病気やトラブルにより、失ってしまった歯を補うための人工歯です。
ここからは、インプラントの特徴やメリットを紹介します。
インプラントの特徴
インプラントは、顎の骨に埋め込むため、外科手術が必要になる治療です。
顎の骨にインプラント体(人工歯根)を埋め込み、その上にアバットメント(土台)を立てて、最終的に人工歯(被せ物)を装着します。
インプラントは3つの構成からできており、インプラント体に使用する素材は、チタン製のため、金属アレルギーを引き起こしにくく、骨折などした際に骨を結合させるためのボルトなどにも使用されています。
また、人工歯にはセラミックを使用するため、天然歯のような白くて美しい見た目を再現することが可能です。
インプラントのメリット
インプラントの他にも、入れ歯やブリッジなどで失った歯を補う方法があり、悩まれることもあるでしょう。
インプラントにするメリットを、入れ歯やブリッジと比較してみてみましょう。
天然歯のような美しい見た目
セラミック素材を選択すれば、天然歯のような白くて美しい見た目を再現できます。
また、インプラント体や土台は目で確認することはできませんので、お口を開けたときに見えるのは人工歯の部分だけです。
そのため、入れ歯のように金属のバネが見えたり、ブリッジのように橋渡しの部分が見えたりすることはありませんので、パッと見て人工歯と気付く方は少ないでしょう。
以前、製作した入れ歯の見た目が気になる方も、インプラント治療へ移行することができます。
取り外しが不要でお手入れが簡単
インプラントの構造からわかるように、インプラント体は顎の骨に埋め込まれるため、固定されて外れることはありません。
一方、入れ歯は取り外し式なので、歯磨きの際に外して磨く手間がかかります。
インプラントであれば、天然歯と同様のお手入れで手間なく磨くことができるのも特徴です。
ただし、適切な歯磨きをしてインプラント周囲炎を予防する必要はありますので、歯磨き指導を受けましょう。
周りの歯や歯ぐきに負担がかからない
インプラントは、周りの歯や歯ぐきに負担がかかりません。
理由は、顎の骨にインプラント体を埋め込むため、他の歯を削ったり歯ぐきで支えたりする必要がないからです。
一方、ブリッジは失った歯を補うために、ダミーの人工歯を両端の歯で支える必要があります。
そのため、両端の歯が健康であっても削らないとならないケースがあり、他の歯に負担をかけます。
また、入れ歯のケースでは、他の歯に金属のバネを引掛けて入れ歯を支えるため、歯や歯ぐきに負担がかかり、トラブルの原因になることも。
もちろん、このようなリスクを避けるためにメンテナンスは行いますが、インプラントの方が他の歯や歯ぐきに負担をかけるリスクは少ないでしょう。
天然歯のような噛み心地
インプラントは、他の歯や歯ぐきに支えを求めず顎の骨に自立しているため、天然歯のような噛み心地を再現できます。
以前、製作した入れ歯が合わずに、インプラントに変更することでよく噛めるようになったという方も少なくありません。
ブリッジは、噛む力があるように思えますが、インプラントよりも噛む力は劣ります。
顎の骨を健康に保てる
インプラントは顎の骨の中に自立しているため、噛む力や刺激を顎の骨に伝えることができます。
これにより、顎は役割を果たしていると認識して、健康な状態を保つことができるのです。
反対に、歯を失った部分を人工歯で補うことなく放置しておくと、噛む力が顎の骨に伝わらないため、顎の骨は徐々に溶けて変形するリスクがあります。
そうなると、インプラントや入れ歯で補いたくても、顎の骨が不足している状態となり、治療に時間がかかったり、治療できる人工歯に制限がかかったりします。
インプラントであれば、健康な顎の骨を維持できる可能性が広がりますので、お口全体の健康を考えて選択肢にしてみましょう。
歯周病とは
ここからは、歯周病について解説します。
インプラント周囲炎の原因も歯周病と同じ「歯周病細菌」による感染症です。
インプラントは問題なくても、他の歯が歯周病であれば、インプラント周囲炎にかかるリスクが高まりますので、歯周病の特徴を知り早期発見につなげましょう。
歯周病の原因
歯周病は、インプラント周囲炎と同じ歯周病細菌により引き起こされます。
それでは、どのようにして歯周病細菌が悪影響を及ぼすのでしょうか。
大きな原因は、歯磨き不足による食べかすや歯垢の取り残しです。
特に、歯と歯の間や歯と歯ぐきの隙間に食べかすが詰まりやすく、適切な歯磨きができていないと取り残しやすい傾向にあります。
取り残された食べかすの中で細菌が増殖して、細菌のかたまりである「歯垢(プラーク)」と変化し、中には歯周病菌もいます。
歯周病菌は、酸素を嫌うため増殖を続けながら、歯と歯ぐきの間の溝の奥へ奥へと入り込み、やがて歯周ポケットと呼ばれる病的な溝に変化させてしまうのです。
快適な住みかを発見した歯周病菌はさらに活動し続けて、歯周病が放出する毒素や炎症物質により、歯ぐきが腫れたり、顎の骨が溶かされたりします。
とはいえ、歯磨きだけで歯周病を予防することは難しく、歯医者で定期的な歯のクリーニングを受けることが大切です。
理由は、どれだけ上手く歯磨きができる方でも、歯垢を完璧に取り除くことが難しいからです。
そのため、歯磨きをどれだけ行っていても、定期検診に長い間通われていない方は、歯周病のリスクが高まります。
歯磨きによる「セルフケア」と歯医者で定期検診を受ける「プロケア」の両方を行ってはじめて、歯周病が予防できると覚えておきましょう。
インプラント周囲炎も同じで、セルフケアとプロケアの両方を行うことが大切です。
歯周病の進行
歯周病は、インプラント周囲炎と似ています。
初期段階では、歯ぐきの腫れや出血がみられ、歯磨き中に歯ブラシが赤くなることが多くなります。
放置しておくと、歯を支えている顎の骨が溶かされて、歯が動きはじめて食事などに支障がでてはじめて気付く方も少なくありません。
最悪の場合は、歯が抜け落ちるリスクがあり、歯を失う原因の第1位とわかっています。
(出典:厚生労働省e-ヘルスネット_歯の喪失の原因 より) >
インプラントの寿命
ここで解説するインプラントの寿命とは、インプラントを顎の骨から撤去するまでの期間とします。
インプラント手術から、10~15年後にインプラントが問題なく使用できるのは、
・上のインプラント:90%
・下のインプラント:94%
と、90%以上ものインプラントが長く使用できることがわかっています。
また、顎の骨が不足しており、インプラント手術前に骨を造る処置(骨造成)を行ったり、歯を抜くのと同時にインプラントを埋入したりしたケースでは、87~92%程度と若干少ないという結果がでました。
(出典:厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」_歯科インプラント治療のための Q&A より) >
ここまでは、一般的なインプラントの10〜15年後の寿命をお伝えしましたが、使用するインプラントのメーカーや顎の骨の状態により個人差はあります。
また、15年以上インプラントを快適に使用している方も多くいらっしゃいます。
そのためには、インプラント治療後も歯医者に通院してメンテナンスを受けることが大切です。
インプラントを快適に長く使うためには定期検診に通いましょう
東京都大田区の歯医者【大森わたなべ歯科】は、インプラント治療を行ったあとも快適にインプラントを使用していただくために、定期検診をご提案させていただきます。
インプラントを長く快適に使用するために、メンテナンスを受けてインプラント周囲炎からインプラントを守りましょう。
お口の状態に合わせて、適切な歯磨きの方法を指導いたしますので、ぜひ習得してください。
当院は、パウダールームを完備しておりますので、治療前後のお化粧直しや歯磨きをする際にご利用いただけます。
平日に通院が難しい方は、土曜も17時まで診療をしていますので、お電話でご都合のよい日にご予約ください。
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